発達に不安があるお子さんが療育を受けるのはメリットが大きいです。
療育を受ける施設は子どもだけで通うタイプと親子で通うタイプがあります。親子通園ときくと少し大変そうに感じますよね。
次女と次男が、発達面で不安があり親子通園の療育園に半年ほど通っていました。
正直、しんどいと感じる瞬間が多かったです。しかし、それでも親子通園の療育園に通っていた時間はマイナスではありませんでした。
今回は、母子通園型の療育に通った体験をもとに、感じたこと・メリット・デメリットについてお話していこうと思います。
親子通園型の療育施設とは?

療育は、障害のある子どもや発達に不安のある子どもが将来的自立を目指すために、その子どもに合わせた支援をすることです。
療育が受けられる施設には、子どもだけで通う施設と親子で通う施設があります。また、個別療育や集団での療育施設など種類や施設のやり方はさまざまです。

次女と次男が通園していたのは、母子通園型で集団で療育を受ける施設でした。
基本的には集団で過ごし、月に1〜2回個別で言語訓練・作業療法などを受ける日があります。保育園などの入園に向けて親子分離で過ごす日もありました。
イメージとしては、幼稚園や保育園のプレ保育でしょうか。入園前に園生活の練習をするような感じですね。クリスマスなどのイベントもありましたよ。
我が子が通っていた園には、保育士さんが園長先生を含む数名と言語聴覚士の方が1人常駐。子どもそれぞれに担任がつきます。
うちの子は週2〜3回通っていました。通う日数は、子どもの状況や親御さんのお仕事などの都合によって変わります。
入所の前に役所で通所受給者証の交付を受けるのですが、その際に現段階で受けられる最大限の支援を申し込みます。



次男のときは給食の提供がなくなっていたため、給食費もなく料金の支払いはなかったですね。
受給者証関連の手続き方法などは保健師さんが詳しく説明してくれるため、わからないことはきいてみてくださいね。
親子通園の療育園で何をして過ごすの?


親子通園型で集団療育を行う施設では、どのように過ごすのか……。我が子が通っていた療育園の1日の流れを例にお話していきますね。



あくまで一例です。施設によって変わるため参考程度でみてくださいね。
8:30~9:00 登園・自由遊び
朝登園したら靴を脱いでカバンから必要な物を取り出し、お手拭きタオルと歯磨きセットは指定の場所にかけて連絡帳も取り出します。
カバンは自分のロッカーに。極力自分で支度ができるように促しますが、イヤイヤ期も重なって進まなくなるケースも多いです。
子どもに手を焼いていると、保育士さんが上手に声掛けをしてくれ、朝の支度ができるようにお手伝いをしてくれます。
支度ができたら保育士さんと1対1で、朝の挨拶です。向かい合って机に座り、お名前を呼ばれたら返事→「おはようございます」といった感じに。
少しお話したら連絡帳にシールを貼ります。



子どもが自分で好きなシールを1つだけ選んで、
決められたところに貼ってから
保育士さんに連絡帳を預かってもらいます。
朝の支度と保育士さんとの挨拶が終わったら、時間がくるまで自由遊びの時間です。室内や外で子どもと一緒に遊びます。
9:00~10:00 朝の会・療育開始(運動遊びなど)


その日登園してくる子どもが揃い、時間が来たら自由遊びはおしまいです。時間になったら保育士さんが音楽を流すのですが、これが自由遊びおしまいの合図になります。
遊んでいたオモチャを子どもと一緒に片付けて、自分の使う椅子(子どもそれぞれマークが決められて椅子に貼ってあります)を持って保育士さんの前へ。
ママやパパは子どものすぐ後ろにつきます。
全員が揃ったら『朝の会』です。朝の挨拶をしてひとりずつ名前が呼ばれます。
名前が呼ばれたら元気よくお返事をして、保育士さんとタッチ。終わったら手遊び歌→療育→絵本→朝の会終わりの流れです。
療育の内容は、半月ごとに内容を替えてさまざまなことを遊びを交えながら行います。
障害物リレー・クイズ・親とのふれあい遊びなど、身体を使って行う遊びが多かったです。
発達面などで指摘を受けて入所してきた子どもたち、最後まで座っていられない子もいます。うちの子も最初は座ってじっとしているのが嫌で、大泣きでした。



ここでも親が手を焼いていると、手の空いている保育士さんが声をかけてくれます。
11:00~12:00 自由遊び(外遊び・室内遊び)
朝の会と療育が終わったら自由遊びです。外で遊んだり室内で遊んだり、各自で楽しみます。
月初めに、その月生まれの子の誕生日会があったり、季節に合わせた制作活動をしたりすることも多いですね。サンタさん作ったり、こいのぼり作ったり……。
お散歩は親子で手を繋いで、みんなで行きます。途中、抱っこを要求して動かない子もいますが、そんなときも保育士さんが上手に声を変えてくれるので助かりました。
夏はプール、雪が積もれば雪遊びなど本当にさまざまなことをします。
12:00~14:00 昼食


自由に遊んだ後は、お昼ご飯です。保育士さんが音楽をかけて「遊びは終わり」の合図をくれます。
お片付けをして、各自手を洗ったらお弁当をもって自分の席へ…….全員が揃ったら、みんなで「いただきます」の挨拶です。
自由遊びから切り替えが上手くできない子や、食事に興味がなくて食べない子もいます。
うちの次男もそうでした。そんなときは保育士さんが「うわ!○○ちゃんのお弁当美味しそう!」など、子どもの気持ちがお弁当に向くように促してくれて、子どもも嬉しそうにお弁当を食べてくれることが多かったです。。
それでも食べない子はいますけどね……。
食べ終わった子から「ごちそうさま」の挨拶をして、各自歯磨きをします。
歯は最初自分で磨かせてから、仕上げ磨きです。仕上げ磨きで大暴れする子もしばしば……全部終わったら、帰りの会の時間まで自由に遊べます。
この時間に言語訓練や個別面談がある日も。基本的に子どもが遊んでいる様子を見守りつつ、トラブルがあったら対処したりしますが。



ただ……昼食後は眠気との戦いです。(親が)
14:00~15:00 帰りの会・降園
昼食後の自由遊びも時間が来たらおしまい。音楽がかかったら、使っていたオモチャを片付けて朝の会と同じように自分の椅子を持って、保育士さんの前に並んで座ります。
帰りの会も手遊び→連絡事項など→帰りの挨拶といった流れです。朝よりは短めで終わります。帰りの会が終わったら、帰り支度です。
朝、保育士さんに預けた連絡帳を受け取って個人個人で帰りの挨拶をします。
受け取った連絡帳を自分のカバンに入れ、お手拭きタオル・歯磨きセットも片付けて身支度を整えたら終わりです。
この帰りの準備も、できるだけ子どもにやらせるようにします。身支度を整えたら玄関で靴を履いて、お帰りです。



子どもも嬉しそうに園長先生とご挨拶できて、ニコニコで帰ることができます。
各種イベントもあり
上記でも少し触れていますが、月に1回のお誕生日会・クリスマス会・ひなまつり・プール・芋ほりなど、季節に合わせたイベントも行われました。
お誕生日会の際には、デジカメで取った子どもの写真と担任の保育士さんのメッセージかかかれた、カードがもらえました。
クリスマス会やひなまつりでは、特別にお菓子を食べたりゲームをして遊んだりサンタさんが登場したり……節分では鬼も登場して盛り上がります。
保育園入園までの施設だったため、3月には卒園式もやってくれて感激しましたよ。
親子通園の療育に通うメリットとは?


親子通園の療育に通って、しんどい面も多かったですが良いことも多くありました。ここからは、実際に利用して感じたことをお話していきます。
正直!しんどかった!
親子通園で療育に通うのはハッキリいって、かなり負担がかかります。子どもが慣れるまでしんどいと思うことも多いです。
すぐに場所に馴染める子もいます。しかし、自閉症などの症状が強い子どもや、場所見知り・人見知りが強い子どもだと慣れるまで時間がかかるケースも多いです。
自分の行動を制限される初めての経験で、子どももパニックになって暴れたり泣き叫んだり……。慣れるまで子どももママも強いストレスを感じることもあります。



私の子も、最初は椅子に座ることも体操をすることもできませんでした。お弁当も拒否して食べず……。
療育中に、こちらが泣きたくなることも多かったです。
遊びから別の行動への切り替えが難しくて、大変でしたね。しかも、私は車を運転できないのですが、自宅から施設まで自転車で30分以上かかるのですよ。
子どものため、よっぽどでなければ雨でも風でも通いました。(雪やどうしてもむりなときはお休みしましたが)生き返りだけでもかなりしんどかった……。



何度も「もう、やめたい」と考えました。
しんどさの中にも感じたメリット


しんどくても、最後まで通い続けられたのは子どもだけでなく、親である私自身にもメリットが感じられたからですね。
園に慣れるまでは母子ともに大変でしたが、保育士さんはもちろん周りのママさんも温かく見守ってくれました。時には「大丈夫?」と声をかけてくれることも……。
母子通園だからこそ、子どもだけでなく親のケアもしっかり対策されていたように感じます。
子どもの癇癪で放心状態のママがいれば、保育士さんが話しをきいてくれました。
その際、別の保育士さんが子どもをみてくれます。
教室から脱走しそうになる子もいますが、保育士さんだけでなく近くにいるママさんもサッと子どもを止めてくれるのです。私も数人の脱走を阻止しました。
なんといいますか……その空間にいるみんなで子どもを見守り成長を喜んでくれるのです。



大変でしんどいけど、居心地は良かったかな。
他のママさんや保育士さんと話しをすることで、ストレス発散にもなります。
そして、子どもの成長にものすごく良い影響を与えてくれたことも大きなメリットです。お友達と遊べる・人見知りが和らぐ・意思疎通ができるようになるなど。
おそらく自宅で、私がアプローチしてもあそこまでの成長はできなかったと思います。集団で多くの子ども・大人と関わりができたから、心の成長に繋がったのでしょう。
まとめ


療育は子どもが慣れるまで、しんどいことが多いです。親子通園だと通うしんどさもありますしね……。
しかし、発達に不安がある子の育児はひとりで抱え込んでしまうと余計に辛いものです。
辛い気持ちを保育士さんや他のママさんに話したり、他のママさんの悩みをきいて「うちだけじゃないんだ」と安心したり……精神的に助けられていました。
子どもも、発達が遅いながらも成長ができた点は何よりも大きなメリットです。
次女は、現在は普通に高校生活をエンジョイしています。次男は支援級在籍ですが、落ち着いて通えていますし、療育園に通っていた影響は大きいです。



もちろん保育園の先生の力もありましたが…
私は、しんどかったけど途中でやめなくて良かったと心から思っています。
健診などで親子通園の療育をすすめられると、悩んでしまう方もいるでしょう。
しかし療育自体は子どもにとってマイナスにはならないはずです。
子どもが環境に慣れるまで大変ですが、都合が許されるのであれば母子通園の施設の利用もぜひ検討してみてください。
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